桜間とゆあれ

透明に、とばかり考えていた。雨を遮れば花も隠れてしまうから。玄関ポーチに広げ置かれた濃紺はまだ濡れて、金色の雨垂れから小さな水溜りをこぼしている。白い大ぶりな花柄、緑の差し色、涼しげに透明な持ち手にぴかぴかの金具。傘を咲かせるなんてねえ。私もお店でいちばんかわいいのを買おうかな。


むしろ明るい声音に拍子抜けしたのと、ちょうど手元が忙しくて、どっちつかずの母音が出た。iPadを覗き込んで口ずさんでくる。「言葉が染み込んで♪」「溶け合う感覚♪」返してしまって手が滑る。ああ、フルコンならず。にこにこと謝るのに、「寂しかったら、戻してもいいけど」八つ当たりだけど。

──Twitterのアイコンを傘と水からゆあれの肖像に変えた日のこと