2025.08.08 11:16図書館には妖精がいる ④ 私が担当さんと会うのはこれが二回目だ。私がこのベッドで目を覚ました時、担当さんはゆあれちゃんのベッドの端に座っていた。真夜中で、水色のベッドの主はまだ書庫にいた。担当さんは、私たちについて基本的なことを淡々と教えてくれた。図書館の妖精は、夜の書庫で物語を食べる。すると、胸に下げたインク瓶にインクが溜まる。妖精のインクを運命の人間に渡すまで、図書館から出られない。あとは「おともだち」に聞いて、と言...
2025.08.08 11:16図書館には妖精がいる ③ その夜も、私は新聞を、ゆあれちゃんはいろいろな本を——新着本、雑誌、絵本、趣味の本や旅行ガイドなんかを——読み、いつものようにカウンター裏の壁から自室に戻った、はずだった。「……!?」 背中から着地したベッドが、ごつごつと奇妙に膨らんでいて、私の身体はこわばる。「あーっ! 女史!」 隣でゆあれちゃんが叫んでいる。 長く真っ直ぐな黒髪を指先でさらさらと整えながら、その人は言った。「抜き打ち検査に来...