2025.07.08 13:28妖怪の蔦子ちゃんの話蔦子ちゃんは妖怪じゃないのよ。妖精でもないのよ。妖精みたいにかわいいけど、ふふ。「図書館の地下に住む妖怪の蔦子ちゃん」の写真が素敵だったから、ちょっと書いたわ。あと2話か3話くらいありそうなのだけど、今日は、書けたところだけね。ゆあれちゃんと蔦子ちゃんが図書館の妖精さんになっている。蔦子ちゃんはまだ妖怪ではないわ。ゆあれちゃんがいるからね。一話目。
2025.07.08 13:25図書館には妖精がいる ② 図書館の妖精は地下に住んでいる。 夜明けの少し前、カウンターとバックヤードを仕切る煉瓦柄の壁にもたれて、背中に少し力を入れる。すると、壁がすうっと溶けて、私たちはふわんと落下してゆく。浮遊感の後、どさっ、と自分のベッドの上に落ちるのだ。ゆあれちゃんの寝具は水色にピンクのレースが、私のには黒に赤のレースが付いている。子供用の小さなベッドが二つ並んで、それでほとんどいっぱいの、狭い部屋。よく磨かれた...
2025.07.08 13:24図書館には妖精がいる ①「時間ってさあ、狭すぎるよね」「狭い?」 誰もいないカウンターの奥の壁にかけられた時計は、三時を指している。正面玄関の上の大きなガラス窓から注ぐ月明かりの中で、ゆあれちゃんは堂々と床に寝転んで頬杖をついていた。片足を持ち上げてフラフラ揺らすから、フリルとレースの桃色スカートから、ふわふわのドロワーズが覗いている。パフスリーブの上で、薄桃色のくせっ毛が揺れる。「だって、こんなにたくさん……」 そう呟...